G.T.
"Veni Sancte Spiritus"、 「聖霊来てください」―聖霊降臨の主日に必ず歌われる典礼聖歌「聖霊の続唱」です。
昔からこの聖歌が大好きです。生まれ育ちの母国で所属していた教会では、グレゴリオ聖歌の旋律の原曲の英語版("Come Holy Spirit")が歌われ、また、ときによって原曲のラテン語版("Veni Sancte Spiritus")も歌われていました。来日して日本語版の「聖霊来てください」を聞いた最初の頃、まだ日本語能力が下手だったからかとても歌いにくいと思った時期があったのですが、徐々に歌えるようになってから、なんとなく原曲のグレゴリオ聖歌の旋律も感じることができ、やはり日本語版も素晴らしいと思い、大好きになりました。
原曲も日本語版もどちらも旋律がとても良いと感じているだけではなく、聖霊の働きが感じられ、聖霊を求める祈りの歌詞も心を打たれる思いがいっぱいです。日本語版はラテン語の歌詞の内容とほぼ同じで、歌詞の前半に「光」という言葉が数回も用いられ、聖霊のすごく明るい輝きと力を感じさせられます。
「証の力を注ぐ方」と歌詞にも書かれていますが、主イエスの御名によって、御父がお遣わしになった聖霊が降り、使徒たちに証の力を注き、キリストの教会が誕生しました。あの日、聖霊を受けたペトロが使徒たちの代表として初めての説教と力強い証をなし、三千人にも及ぶ人々がペトロの言葉を受け入れ、洗礼を受けました(使徒言行録2・41)。
一日に三千人の受洗者!もちろんこれはペトロの人間的な力によるものではなく、聖霊による奇跡であり、神様ご自身の御業であることです。
使徒言行録の前半位(第1章~12章)にはペトロの言行がほぼ毎章に登場し、それを読むたびに、聖霊を受けたペトロ自身にたいへん大きな変化が起こったことにいつも深い感銘を受けています。
一介の漁師に過ぎなかったペトロ。学問もなく、おっちょこちょいで、後先を考えずに行動的で、主イエスに叱られていたペトロ。そして、主イエスとの関係を否定してしまい、後に激しく泣き痛烈に後悔していたペトロ。そのような貧しい者にも、主のしもべとして神様の救いの業に仕える光栄を与えられた神様の恵みあってのことです。
私たちも、神様の救いの御業に仕え、用いられることを、大きな喜びを感じられますように。
栄光は父と子と聖霊に。初めのように、今もいつも世々に。アーメン。
「聖霊来てください」(聖霊の続唱)
(ラテン語原曲)ヴェニ・サンクテ・スピリトゥス
聖霊来てください。あなたの光の輝きで、
わたしたちを照らしてください。
貧しい人の父、心の光、証の力を注ぐ方。
やさしい心の友、さわやかな憩い、ゆるぐことのないよりどころ。
苦しむ時の励まし、暑さの安らい、憂いの時の慰め。
恵み溢れる光、信じる者の心を満たす光よ。
あなたの助けがなければ、すべてははかなく消えてゆき、
だれも清く生きてはゆけない。
汚れたものを清め、すさみをうるおし、受けた痛手をいやす方。
固い心を和らげ、冷たさを温め、乱れた心を正す方。
あなたのことばを信じてより頼む者に、尊い力を授ける方。
あなたはわたしの支え、恵みの力で、救いの道を歩み続け、
終わりなく喜ぶことができますように。
アーメン。アレルヤ。