ABC年

5月31日

聖母マリアの訪問(祝日)

イエスを宿したマリアが聖霊に導かれてエリサベトを訪問したこと(ルカ1・39~56)は、すでに古代の末期から祝われた。ローマでは8世紀に待降節中に聖母の訪問が祝われ、当方教会には昔から7月2日にその祝日であった。第二バチカン公会議後の典礼刷新で、「エリサベトはもう六ヵ月になっている」(同1・36)という天使ガブリエルのマリアへの言葉と、「マリアは三カ月ほどエリサベトのところに滞在した」(同1・56)という聖書の記述に従って、この祝日は「神のお告げ」(3月25日)と「洗礼者聖ヨハネの誕生」(6月24日)の間の日に移された。4月の初めは復活祭とかさなることが多いので、この祝日はマリアの月とされている5月の最後の日に定められた。(『毎日の読書』より)

 

第一朗読 セファニヤ3・14-18

セファニヤの宣教

 

3・14娘シオンよ、喜び叫べ。
イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。
娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。
15主はお前に対する裁きを退け
お前の敵を追い払われた。
イスラエルの王なる主はお前の中におられる。
お前はもはや、災いを恐れることはない。

16その日、人々はエルサレムに向かって言う。
「シオンよ、恐れるな
力なく手を垂れるな。
17お前の主なる神はお前のただ中におられ
勇士であって勝利を与えられる。
主はお前のゆえに喜び楽しみ
愛によってお前を新たにし
お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」
18わたしは
祭りを祝えず苦しめられていた者を集める。
彼らはお前から遠く離れ
お前の重い恥となっていた。

 

または、 ローマ12・9-16a
使徒パウロのローマの教会への手紙

 

皆さん、12・9愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、10兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。11怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。12希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。13聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい。14あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。15喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。16a互いに思いを一つにし、高ぶらず、身分の低い人々と交わりなさい。

 

答唱詩編 イザヤ12・2、5

 

 喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

 

12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。
神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。

5神は不思議なわざをなしとげられた。
神をほめ歌い、そのわざを世界にのべ伝えよう。

 

福音朗読 ルカ1・39-56

ルカによる福音

 

1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

46そこで、マリアは言った。

「わたしの魂は主をあがめ、
47わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。
48身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。
今から後、いつの世の人もわたしを幸いな者と言うでしょう、
49力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。
その御名は尊く、
50その憐れみは代々に限りなく、
主を畏れる者に及びます。
51主はその腕で力を振るい、
思い上がる者を打ち散らし、
52権力ある者をその座から引き降ろし、
身分の低い者を高く上げ、
53飢えた人を良い物で満たし、
富める者を空腹のまま追い返されます。
54その僕イスラエルを受け入れて、
憐れみをお忘れになりません、
55わたしたちの先祖におっしゃったとおり、
アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」

56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。

 

 ◇ 聖書本文は(一財)日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。